老いも障害も「オールライトファッションショー」_Report

ALL [ RIGHT / LIGHT ] FASHION SHOW

多様な「ウォーキング」にスポットライトをあてるファッションショー「オールライトファッションショー」にぬかびと5名が参加します。
岡山県内で、障がいのある人、年老いた人、杖をついている人、車椅子の人、さまざまな参加者を募りました。そして、それぞれのための衣装を岡山を拠点にするファッションデザイナー「POTTO」と児島のデニム・ワークウエアメーカーのジョンブル・靴は岡本製甲が制作します。
また、音楽にはビートのきいたボイスパフォーマンスが人気のミュージシャン「AFRA」をお招きし、「ひとのからだ」から沸き起こるメッセージに耳をかたむけるショーを創り出します。


レポート|Report
ロングのコートを着たひときわダンディな戸田さんが自作の詩(ファッションショーをテーマにしたもの)を読み上げる「洋服は宇宙と身体の交わり、交響曲である」と。しょうへいくんは大好きなジャニーズのグループKAT-TUNの歌とダンスを披露、衣装もジャニーズをイメージして作られた。普段からコミュニケーションツールとしてipadを使用している大原さんは、会場中の女性に向けて「ワタルです。週末は暇しているのでウチの中庭でBBQでもしましょう。女の子限定で…」と誘いかける。大原さんはロックバンドのX-japanが好きということもあって、ライダース仕様のロックな衣装を身にまとう。絵やイラストを描いている紋佳里ちゃんの作品は会場に設置された巨大スクリーンにアニメーションとなって披露された。

受付を済まし体育館に入る。体育館の照明は消えていて暗い。高さ2mほどのポールの上に設置されたLED照明が、音楽やショーの構成に合わせて明滅している。体育館中央部にはこの照明が4〜5つ島のように点在しており、この照明の下に客席がある。モデル(参加者)はお客さんの周りを音楽に合わせて、周遊するように、踊るように歩いて行く(その他体育館壁面に沿って客席があり、当日は多くのお客さんが入っていた)。ハンドライトがお客さん1人1人に配られ、そのライトをモデルのウォーキングに合わせて思い思いにライティングしていくという参加型の仕掛けも用意されている。音楽を担当するAFRAさんはヒューマンビートボックス / ボイスパーカッションの名手。とても気さくでぬかびとともナチュラルに会話をしていた。しょうへいくんはAFRAさんとすぐに仲良くなってボイパ(ボイスパーカッションの略)を教えてもらう。本番でも終始ボイパをしていてその後の1ヶ月間はしょうへいくんの口から「プスプス」「ヒュー」「ドゥスドゥス」という独特のビートが止まらなかった(笑)。ディレクターの田中みゆきさんはぬかに視察に来た際、参加するぬかびとの様子を観察しては、それぞれの「得意なことや普段から取り組んでいること」をヒヤリングしていた。そして「ぬかびとの好きなこと、日常に根ざしていること」をショーの演出に取り入れてくれる。自然な形で、または余所行きな様相をとったとしても、違和感のない形で。オールライトファッションショーの醍醐味はそういった、個々に根ざした日常的な出来事がファッションショーというある種特殊な劇場に演出されていることなのだと思う。

オールライトファッションショーはいわゆる普通のファッションショーとはどこか少し違う。洋服を作るブランドがモデルに商品を着せることで、デザイナーのクリエイティビティーやブランドの世界観を表現するのだとしたら、オールライトファッションショーは「服を着るモデル」から発進された要素をもとに服がデザインされ制作されている。暗闇の中でLEDのライトに照らされるような演出は、そもそもブランドのコマーシャルを目的としたショーでは行われないだろう。衣装の制作一つをとってみても「人/モデル」の特徴、特性からクリエイティブなアクションがうまれている。このショーに関わるスタッフのほとんどが「(自分を含め)”人”をどう生かすか」というマインドを持っているような気がした。
「好きなこと」や「どうしてもやってしまうクセのようなもの」が人と人の間を繋ぐものになる。そんなことが起こったらなんて素敵だろう。ぬかでもそういった感覚でもって、一人一人の「好きなこと」に向き合うことを大切にしている。そういった感性をショーの中にも感じ、また、ファッションショーという型に収まらず、演劇とも、ライブとも、アートとも言えないような、または言えるような空間がそこに立ち現れ、立ち会えたことに喜びを感じた。(丹正)


WEBメディア「雛形」_ 鼎談
前編|https://www.hinagata-mag.com/report/20795
後編|https://www.hinagata-mag.com/report/20829


日時|2017年11月11日(土) 13:00~(12:00開場)
会場|内山下小学校 体育館(岡山県岡山市北区丸の内1-2-12)
*障がい者トイレは小学校内にあります。

チケット
一般前売|¥500
一般当日|¥1,000
障がい者|無料(同伴の方1名無料)
小学生以下:無料

お申込み|info@hibari-ent.com
お問合せ|086-230-2833 info@hibari-ent.com (一般社団法人ひばりエンタテイメント)



演出|野上絹代
衣裳デザイン・スタイリング|POTTO
衣裳制作|ジョンブル
シューズ制作|岡本製甲
ヘアメイク|atelier enrubanne
照明|高原文江
音響|サウンドスケッチ
舞台監督|イトウユウヤ
宣伝美術|いすたえこ
撮影|加藤晋平
記録映像|西野正将
企画・トータルディレクション|田中みゆき
企画制作・プロデュース|金森香(NPO法人ドリフターズ・インターナショナル)
制作サポート|山本さくら(NPO法人ドリフターズ・インターナショナル) 一般社団法人ひばりエンタテイメント
協賛|株式会社キッカワ
協力|株式会社ジョンブル、岡本製甲株式会社 株式会社ぬか
機材協力|カラーキネティクス・ジャパン
主催|一般社団法人ひばりエンタテイメント、NPO法人ドリフターズ・インターナショナル
助成|芸術文化振興基金助成事業 岡山市市民協働局人権推進課

NPO法人ドリフターズ・インターナショナル
http://drifters-intl.org/event/category/performance/1233

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