映画『記憶との対話』上映会 _ レポート

[CONVERSATIONS WITH MYSELF] Film Screening_Report

映画「『記憶との対話』〜マイノリマジョリテ・トラベル、10年目の検証〜」上映会
[CONVERSATIONS WITH MYSELF 〜Recollecting the 10 years of Minori-Majorite Travel〜]
Film Screening

2006年に東京で行われた伝説的パフォーマンスを、
10年後の視点から振り返るドキュメンタリームービー!岡山初上陸!!!
どこからどこまでが「障害」で、どこからどこまでが「健常」なのか。
その境界線は、誰が引いているのか。2006 年に東京で行われた伝説的パフォーマンスを、10 年後の視点から振り返る。〈障害〉と〈健常〉、〈マイノリティ〉と〈マジョリティ〉の境界線に問いを投げかけた問題作、「東京境界線紀行『ななつの大罪』」舞台上演から10 年が経ち、今一度その意味を問い直すドキュメンタリー映画の上映会。私たちひとりひとりが日々行なっている「線引き」について、映画を観ながら考えてみたいと思います。 映画上映とともに映画監督、実行委員を含めたレクチャーとトーク・ディスカッションを行いました。


無事終了しました!ご来場いただいたみなさまありがとうございました!
当日はマイノリマジョリテ・トラベル・クロニクル実行委員のお二人。樅山さん、長津さんのレクチャーに始まり、映画上映後のトークもはずみました。佐々木監督の制作側のお話しや、車椅子の友人と遊んでいるときにトイレ介助をしたときの感覚的なお話し。演劇作品の制作や映画の制作に関わることで、そこに登場するマイノリティーと呼ばれる人たちとの出会い。そう行った出会いから変わった自身のメンタリティのこと。社会や周囲の状況によってマイノリティやマジョリティ、健常や障害の反転が起こることなど。会場の中庭から吹く心地よい風に誘われて映画(や10年前の演劇作品)にまつわるいろいろな話しをお聞きできました。映画から語りかけられる答えのないモヤモヤした気持ちをお客さんから伺うこともでき、答えがでない様々な問題や違和感について「考え続けること」の大切さを共有できたように感じます。こういった一緒に考える体験の場をもてたことが嬉しく、マイノリマジョリテ・トラベル・クロニクル実行委員のお二人、佐々木監督に感謝いたします。また、ご来場いただいた皆さま、ありがとうございました!上映会終了後もぬかに移動して話は尽きず、その後の打ち上げでも大盛り上がり。深く楽しい1日でした!


開催日|2017年5月28日(日)
時 間|open 13:30 start 14:00 close 16:45
会 場|いかしの舎 1F和室 (岡山県都窪郡早島町早島1466)
入場料|前売1000円 当日1200円
定 員|50名
フード |ぬかキッチン(ドリンク、スウィーツ)


タイムテーブル
14:00-14:05 開会挨拶(中野厚志/ぬか)
14:05-14:20 レクチャー|障害とアートについて(長津結一郎/九州大学大学院芸術工学研究院助教)
14:20-14:35 トーク|マイノリマジョリテ・トラベルとは
(樅山智子/マイノリマジョリテ・トラベル・クロニクル実行委員会/代表)
14:35-15:37 映画上映(62分)
15:37-15:45 休憩
15:45-16:15 クロストーク|『記憶との対話』からはじまる検証について
(樅山智子、佐々木誠、長津結一郎|丹正和臣/ぬか)
16:15-16:45 質疑応答・対話


監督|佐々木誠|62分|2016年
製作|マイノリマジョリテ・トラベル・クロニクル実行委員会
上映会主催|株式会社ぬか


プロフィール
佐々木誠 Makoto Sasaki
監督
1975年生まれ。高校卒業後、あがた森魚監督などの映画作品にスタッフ・役者として多数参加、 同時期に桜井鉄太郎プロデュース「Yipes!」など数本のシナリオを執筆。98年よりソニーミュー ジック・エンタテインメントにて数多くのアーティスト・プロモーション用映像を演出する。現 在、フリーディレクターとして音楽PVの他にVP、TV番組などの演出、構成執筆など。06年、初 監督ドキュメンタリー映画『Fragment』がロードショー公開され、アメリカ、ドイツなど海外上 映も含め3年以上のロングランとなる。その後、オムニバス映画「裸over8」の内の一本『マイノ リティとセックスに関する2、3の事例』(07)、『INNERVISION』(13)が国内外で公開。 15年『マイノリティとセックスに関する、極私的恋愛映画』が公開。他に、ハリウッドで制作さ れた『バイオハザード5』(09)ビハインド・ザ・シーン演出、フジテレビで放送されたNONFIX 『バリアフリーコミュニケーション 僕たちはセックスしないの!?できないの!?』(14)演出、 紀里谷和明監督『GOEMON』(08) 夏帆主演『パズル』(14)等の脚本執筆など。またアメリカ、 南カルフォルニア大学他2校(UCSB、UC Riverside)での上映・講演、慶応大学・法政大学で の講義、和田誠やロバート・ハリスらと定期的に映画についてのトークイベントなども行っている。

樅山智子 Tomoko Momiyama
マイノリマジョリテ・トラベル・クロニクル実行委員会/代表
福井生まれ、ニューヨーク/カリフォルニア育ち、東京在住の作曲家。スタンフォード大学にて作 曲と文化心理学を二重専攻し卒業。文化庁新進芸術家派遣制度研修員としてオランダ王立ハーグ 音楽院作曲科留学。世界各国でサイト・スペシフィックなプロジェクトを展開し、社会的マイノリ ティのコミュニティや異分野の専門家等との恊働を通して、同時代的かつ民俗的であるからこそ現 代社会に対するコメンタリーとなりうる音楽を探求。背景の異なる人々を巻き込んだ〈旅〉をデ ザインし、人と環境との対話を媒介することで、共同体に属する音楽を紡ぎ出し、アイデンティティ の問題を掘り下げている。コンサート音楽からラジオ作品、インタラクティブな空間インスタレー ション、儀式パフォーマンスまで、表現メディアは多岐にわたる。近年では、さいたまトリエンナー レ2016(埼玉)、両国アートフェスティバル2015(東京)、アジア作曲家連盟フェスティバル 2015(フィリピン)、LA国際新音楽祭2015(アメリカ)、ウンヤジ電子音楽祭2014(南アフ リカ)、アースアートプロジェクト2014(インド)などで作品を発表。マイノリマジョリテ・ト ラベル主宰、日本相撲聞芸術作曲家協議会理事、アート・トランスレーターズ・コレクティブ創立 メンバー。

長津結一郎 Yuichiro Nagatsu
マイノリマジョリテ・トラベル・クロニクル実行委員会/事務局
九州大学大学院芸術工学研究院助教、九州大学大学院芸術工学研究院附属ソーシャルアートラボ・ コアメンバー。東京藝術大学大学院音楽研究科音楽文化学分野芸術環境創造専攻博士後期課程修 了。博士(学術・東京藝術大学)。障害者の表現活動をはじめとした、社会包摂的な芸術活動を 主たる研究対象としている。異なる立場や背景をもつ人々がどのように協働することができるの か、研究/実践の双方からのアプローチを試みている。NPO法人多様性と境界に関する対話と表 現の研究所代表理事。共著に『障がいのある人の創作活動』(あいり出版)、共編に『アートプ ロジェクト:芸術と共創する社会』(水曜社)など。2008年アカンサス音楽賞受賞。日本学術振 興会特別研究員(DC1)、東京藝術大学音楽学部音楽環境創造科教育研究助手、東京家政大学非 常勤講師、慶應義塾大学グローバルセキュリティ研究所研究員を経て、2016年より現職。


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